ご紹介:子どもの脳は皮膚にある~山口創先生講演会
本物と上質を求める大人のための「アロマテラピー&リラクセーションShinoa」の出野です。ブログへのご訪問ありがとうございます。
今日は、山口創先生(桜美林大学教授)のとても興味深い講座をご紹介します。
「子どもの脳は肌にある」@ハレノヒ保育園(会場&オンライン)
9月30日(日)13:00-15:30(見逃し配信あり)
「思いやりのある子に育ってほしい。」多くの親が子どもの「心」の成長を願っています。
しかし実際には何をどうしたらよいのか悩むものです。
山口創先生に、最新の皮膚論に基づき、肌と心・体・脳の発達の関係と、
肌に触れることの大切さをわかりやすく教えていただきます。
山口先生の講演を私はこれまで4回、聞いています。
大変興味深い内容を、お人柄がしのばれるとても優しい口調で分かり易く語って下さるので、大ファンです!
そして、そこで学んだことを当教室のアロマ教室でもご紹介しています。
山口先生のご専門は、身体心理学。
研究の中で、「触れる」という行為が私たちの脳に何を引き起こすのかについて科学的にアプローチされています。
とりわけ、赤ちゃんにとって触れられること、触れることは大変大きな意味を持っているといいます。
それは、赤ちゃんの心身の健やかな成長に寄与し、その好影響は生涯に渡ると言われます。
今回の先生のお話はオンラインでも聞くことができますので、ご関心のある方はぜひお聞きになってくださいね。
以下、山口先生の講演内容も踏まえて、私なりにまとめた「触れることの意味」です。
「皮膚は最大の臓器」とも言われ、平均して大人で畳一畳分の面積の皮膚を持っています。
皮下組織を含めると体重の約16%に上ります。
また、「皮脳同根」という言葉があるように、皮膚(肌)と脳は同じルーツを持っています。
発生段階で、一つの受精卵が分裂し、内胚葉、中肺葉、外胚葉に分かれますが、皮膚と脳神経はともに外胚葉由来ということです。
ゆえに、皮膚を癒すことが脳を癒すのだとも言われています。
また、ハグしたり、優しくマッサージしたりするときに盛んに分泌されるホルモンであるオキシトシンは、
◆免疫力up(ウィルス感染を予防)
◆ネガティブ感情の低下
◆痛みを感じにくくする
◆成長(新陳代謝)促進
◆血圧・心拍低下
◆不安抑うつ低下
◆短期記憶の向上
などの嬉しい効果をもたらします。
オキシトシンの受容体は皮膚にもあることがわかっており、皮膚をゆっくりとなでると受容体が活性化し、脳や全身の臓器に影響を及ぼします。
そして、触覚は、お母さんのお腹の中にいるときにすでに獲得し、最期まで衰えにくい感覚でもあるのです。
五感の中で、最初に獲得し、最後まで残る感覚なんですね。
私は、6年前に母を見送ったときに、もう見えているのか聞こえているのかわからなかった母の背中をさすったらバイタルが安定したのを覚えています。
私は最期の最期まで母の肌に触れることでコミュニケーションできました。
一人暮らしの人が増え、人との付き合いもインターネットを介することが多くなりました。
人と人とのコミュニケーションがどんどん希薄になっていると言われる中だからこそ、触れ合うことの意味をもう一度見直したいと思います。