時代が追いついてくることがあるから
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーションShinoa」のブログにようこそお越しくださいました。
<今日はアロマテラピーには関係ない話題です>
朝日新聞に連載されている鷲田清一氏による「折々のことば」。
昨日は、元最高裁判事の櫻井龍子さんの
「意見を書いておくことは大切です。
時代が追いつくことがあるのです。」
という言葉が取り上げられていました。
日本国憲法に男女平等が謳われているが、男女雇用機会均等法が成立する1985年までは事実上「戦前」だったと元最高裁判事は語る。
2015年に夫婦同姓を合憲とする大法廷判決で櫻井ら判事が連名で反対意見を述べたのも、将来、この問題を改めて論じる際に参照軸として生きてくると信じたから。(後略)
「折々のことば」より抜粋
「おかしい!」と感じて、声を上げても、大きな流れに飲み込まれ、かき消され、無力感を感じることもあります。
しかし、時代が追いついてきて、「ホント、おかしいよね」と受け入れられることはあるのです。
あきらめて口をつぐまずに、「おかしい」を表明するすべがあればそうしたほうがいい。
もう30年も前になります。
この時代は多くの職場でそうだったのかもしれませんが、私の勤務先でも執務室のデスクや会議室での喫煙が当たり前でした。
妊娠中の女性職員がいてもおかまいなしだったし、灰皿を女子職員が洗うということが慣習となっていました。
そこで仲間たちと一緒に、労働組合に働きかけ、職場や会議室での禁煙キャンペーンを実施しようとしました。
すると組合執行部から、組合構成員である喫煙者の反感をかい、組合員間の分断を呼びかねないと言われ、取り組みを進めることが困難でした。
若い女性たちの意見よりも、組合の中核をなす男性たちの思惑を組合は重視したのです。
粘った結果、結局、「喫煙マナー向上キャンペーン」にするということで落ち着きました。
しかし時代は追いつきました。
今では、元職場では、執務室や会議室だけでなく、敷地内が全面禁煙となっています。
セクハラやパワハラという概念、LGBTの権利なども以前は考えられないことでした。
世の中は力を持っている人たちが動かしているように見えても、時代は確実に変わっていきます。
もちろん、必ずしもいい方向に変化するとは限りません。
私たちはよりよい変化にするように、情勢へのアンテナを張り、努力せねばなりません。
ちっぽけな自分が、無力感に苛まれても、あきらめてしまわないこと、爪痕を残そうとすることが、いつしかよりよい変化へとつながっていくことを私は信じたいと思います。