早春の花はなぜ黄色が多いのか
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログにお越しいただきありがとうございます。
今週中盤はかなり暖かくなりそうですね。
当サロンでは、粘土で作った春の花がお客様をお迎えしています。
菜の花、ミモザ、水仙・・・。
春の花には、鮮やかな黄色が多いですね。
くっきりとした黄色を見ると気分が明るくなれそうです。
もちろん、花たちが黄色く装うのは、私たち人間のためではありません。
早春から活動するアブやハエが黄色に敏感に反応するためだそう。
アブやハエたちをおびき寄せて受粉を促すのですね。
しかしながら、この美しい黄色、昆虫には青く映っているのだとか。
面白いですね!
花の色というのは人の鑑賞のためにあるのではなくて、その植物の生殖戦略と関係があることはご存知だと思います。
多くの種子植物は種子を形成して次世代の繁殖に備えます。
そのために受粉が必要です。
花粉が運ばれてくる方法はいろいろありますが、多くは昆虫が媒介します。
こういう花を虫媒花といいます。
したがって、虫媒花の花にとって、昆虫が花粉を運んでくれるかどうかが、次世代に子孫を残せるかどうかを決めることになります。
そのため、花は昆虫を惹き付けるために誘惑の手段を講じます。
一つは香り(匂い)であり、もう一つは花の色です。
ある種のランのように形という場合もあります。
花と昆虫の関係は持ちつ持たれつでお互いに都合のよいように進化してきました。
これを共進化といっています。
早春の色彩の少ない山野で黄色というのは非常に目立つ色です。
早春にいち早く活動を始める昆虫にはアブやハエの仲間が多いのですが、これらは黄色い色に敏感だといわれています。
昆虫の目には単眼と呼ばれる器官があって、光を受容します。
つまり、明暗と色彩です。
昆虫が受容出来る光の波長は人に比べて短波長よりで、300nm〜650nm (nm: ナノメーター = 10のマイナス9乗メーター)の範囲だといわれています。
だから、紫外線を含む青や紫の短波長の光には昆虫は反応し易く、赤色の様な長波長の光には反応が鈍いのです。
人には黄色い花や白い花も昆虫には淡い青色に写ると思われます。
日本植物生理学会JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行様の記事より引用(改行、出野)