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Shinoa Blog

出口治明氏の『復活の底力』に生きる力をもらう!

本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログにお越しいただきありがとうございます。

 

さて、今日はアロマテラピーとは直接関係のない話題ですが、大変感銘を受けましたので、本のご紹介させてください。

 

出口治明氏の『復活の底力』(講談社現代新書)です。

 

 

出口氏は、立命館アジア太平洋大学の学長です。

 

還暦(60歳)でライフネット生命を開業し、古希(70歳)で立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任した出口氏。

 

出口氏の書かれたものは、時々目にすることがありました。

 

「もう年だから、と年齢を隠れみのにして自分にブレーキをかけないで。

年齢の縛りから自由になる『年齢フリー』社会を目指すべきです」

等という出口氏の言葉に、51歳で大学を早期退職→独立開業した私は随分、励まされてきました。

 

 

その出口氏ですが、2021年1月に脳卒中で倒れ、命はとりとめたものの右半身麻痺と失語症が残ったそうなのです。

 

それは、学長として第一線で活躍していた氏にとっては致命的なことだと・・・通常は思います。

 

しかし、ここからがスゴイ!

出口氏は、リハビリの末に、74歳にして学長職に完全復帰されたというのです。

 

この本は、その過程と出口氏の過程での氏の考えや人生観を記した本です。

 

私は、失語症というのは、言葉がうまくしゃべれないことかと思っていました。

が、失語症は脳の言語をつかさどる箇所に障害が生じて、聞く、話す、読む、書くという言葉を使う機能全般に障害が起きることなのだそうです。

これはとりわけ知的な活動を仕事にする出口氏には致命的に思われます。

 

厳しいリハビリには、作業療法士や理学療法士、言語聴覚士といった専門家のチームが関わります。

 


私は仕事は「元気で明るく楽しく」をモットーにしてきました。

リハビリもつらく厳しい表情でこなすのでゃなく、「元気で明るく楽しく」です。

理学療法士はリハビリのプロなのですから、指導は任せます。

プロに任せた方が合理的ですし、リハビリもスピードアップします。

僕の仕事上のもう一つのモットーはスピード重視でした。

プロの指導についていくことが最善の策です。

『復活の底力』より抜粋


 

出口氏にとって、おそらく子供よりも若い世代のプロ達であったかもしれません。

しかし、全幅の信頼を寄せて明るく前向きに取り組む出口氏の姿勢は、プロ集団のやる気を大いに引き出したことでしょう。

 


僕が楽観的にいられたのは、これまで学んで得た知識の力もあると思います。

 

ダーヴィンの自然淘汰説は、生物に関する最高の理論だと僕は考えています。

 

要するに、何が起こるかは誰にもわからないし、賢い者や強い者だけが生き残るわけではない。

ただ、その場所の環境に適応したものが生き残る。

 

そこでは運と適応が大切で、運とは適当な時に適当な場所にいることです。

 

(中略)

 

将来何が起こるかわからないのなら、川の流れに身を任せるのが一番すばらしい。

人間にできるのは、川に流されてたどり着いたその場所で、自分のベストを尽くすことくらいです。

 

(中略)

なにより、ただ明確なゴールにただ真っすぐ進んでいく人生より、川に流され、とくには岩にぶつかったり濁流にのまれたりしながら、思いもよらない展開のなかで一所懸命に生きていく方が面白いに決まっています。

 

何度も繰り返しますが、人生は楽しまなければ損です。

『復活の底力』より抜粋


 

人生における「思いもよらない展開」が、happyなものであれば大歓迎ですが、「川に流され、とくには岩にぶつかったり濁流にのまれたり」という展開は、ハッキリってご免だというのが一般の人間でしょう。

 

ましてや、名著と言われる『哲学と宗教全史』を著し、「知の巨人」と称される氏が、言葉と体の自由を奪われたのです。

 

しかし、出口氏はその中で生きていくことを楽しむと言うのです。

 

本書で語られるリハビリは、壮絶なものでした。

 

 

氏は「脳卒中になっても人生観は変わらない」と言い切ります。

 

私は、出口氏の強さは、膨大な読書量が、単なる知識の蓄積でなく、生きる智慧となっているからであると感じました。

 


哲学や宗教は、人間が生きていくための知恵を探し出すところから出発したといえなくもありません。

生きていくための知恵は、不幸と以下に向きあっていくかの知恵ともいえます。

『復活の底力』より抜粋


 

知識は絶望ともいえる状況に陥った人間に、生きる術と力を与えてくれるものなのです。

その学ぶことの意味と原点に気づかされました。

 

 

「川に流され、とくには岩にぶつかったり濁流にのまれたり」という経験は、正直したくない。

しかし、望まなくてもそういう状況に陥ることもあるのが人生です。

 

人生の行く先も見えてくる年代になりました。

私ももっと自分の人生の背骨になるような学びを深めていきたいと思います。

まずは、出口氏の『哲学と宗教全史』を腰を据えて読んでみようと思います。

 

『復活の底力』は「講談社現代新書」で大変読みやすい本。

おススメです !

 

 

◆当サロンは、9/10(土)~9/13(火)まで夏季休暇をいただきます。

ご予約・お申込みは休暇中も受け付けております。

 

当ブログは9/14(水)に再開予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。