懐かしく、優しく、心に染み入る和精油の魅力
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」の出野です。
本日もご訪問ありがとうございます。
サロンでなかなか精油のブレンドが決まらず悩んでおられるお客様に、
「これはいかがでしょうか」
と、国産精油をお試しいただくと
「あ、これいいですね!」
と瞬時に決まることが時々あります。
滋賀県草津市で、お子さん連れ歓迎のアロマレッスンをしていたとき、キッズたちに一番人気だったのも、和精油の柚子でした。
柚子は高価なので、オレンジスイートにしておいてほしいのに
「柚子出して~」
の合唱でした 😆
以前、(公益社団法人)日本アロマ環境協会の会誌『AEAJ』に生物学者、福岡伸一氏が「匂いと生命を巡る謎」という文章を寄せられていました。
米国エモリー大学の研究チームが発表した興味深い論文。
それは、若いネズミに、普通のネズミが経験したことのない新しい匂いであるサクラの花弁の匂いを経験させたところ、そのネズミの子供もサクラの花弁の匂いに対する感受性が鋭くなっていたという内容です。
福岡氏は、これを受けて、「五感が最も鋭敏で、みずみずしい感性に満ちている幼少期に、自然の中に身を置いてたくさんの繊細な天然の香りを体験することは、生命としての豊かさを身につけることになるのだろう」と書かれていました。
確かに、現代の子供が自然の匂いから切り離されて、人工的な匂いや、匂いのないゲームの世界に生きていることの危機感は私自身も常々感じていることではありました。
しかしそれ以上に私が興味深く感じたのは、匂いの記憶が「世代を超えて遺伝するかもしれない」という指摘でした。
東洋医学に「身土不二」という言葉があります。
私たちはその住む土地の食物や風土によって生かされて育まれた歴史があります。
『その土地でできたものを食べていると健康が保たれる』という薬膳の考え方です。
ということは、私たちの祖先が、嗅いできた香りをアロマテラピー(芳香療法)として取り入れることは、香りにおける身土不二になるのではないでしょうか。
私たちの祖先が、暮らしていた森の香り。
乾いた咽喉を潤したかんきつ類の香り。
そんな香りの記憶が蘇るのかもしれません。
和精油の香りは、それは優しく、懐かしく、心にすぅーっと染み込んでくるようです。
近いうちにこのような仮説が、証明される日が来るのかもしれませんね。
福岡氏も、このエッセイを「匂いと生命を巡る謎の探求は始まったばかりだ」と結んでおられています。
ひのき、杉、月桃、和レモン、ゆず、温州ミカン・・・。
当サロンでも和精油をご用意しています。
ぜひ、お試しください。