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橘の花の香りに1000年前の恋を思う
橘の花の香りに1000年前の恋を思う
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」の出野です。
橘の花が咲き始めました。
派手な花ではないのですが、その優美な香りが素晴らしいのです。
アロマテラピーで使う精油の中ではネロリに似ています。
「五月待つ 花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」(古今集)
と詠まれてから、橘の香は、かつての恋人を思い起こさせる香りとされるようになりました。
「和泉式部日記」の冒頭でも、この橘の花がモチーフにされています。
人妻でありながら、身分違いの恋に落ち、そしてその若い恋人(為尊親王)に先立たれた和泉式部。
悲しみに沈む彼女のもとに届けられたのは、橘の一枝。
送り主は、亡くなった為尊親王の弟、敦道親王。
それは、敦道親王と式部の、新しい恋の始まりでした。
1000年前、式部と敦道親王の間に漂った橘の香りを嗅いで、古に思いを馳せます。
※御所の紫宸殿の前には、左近の桜、右近の橘が植えられています。
これ倣って神社などでもこれがみられることがよくあります。
この橘の花は平野神社のものです。