口腔機能とアロマテラピー~精油で誤嚥を予防する
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログをご訪問くださってありがとうございます。
今日は、町内で地蔵盆を予定されていたところも多かったと思います。
数珠回しに、副引き、おやつ配りなど・・・。
私は、子供のころの、夏の最後のお楽しみが、地蔵盆でした。
サロンの近所は、毎年盛大に地蔵盆が行われるのですが、緊急事態宣言で今年は中止になってしまいました。
それでも、お地蔵さんの前には、沢山のお供物が置かれていました。
来年こそは、また賑やかな地蔵盆になりますように!
さて、今日は、お口と嗅覚、そしてアロマの話題です。
新型コロナウィルスに感染した方が、嗅覚に異常をきたして、食べ物の味がしなくなったという話を聞きます。
風邪を引いて鼻が詰まると、食べ物が味気なく感じられるのは、誰しも経験のあることかと思います。
そう、香りは「おいしさ」の重要なファクターです。
私たち、人間は、食べ物の匂いを、「オルソネーザル(たち香)」と「レトロネーザル (あと香)」の両方で感じています。
食べ物の匂いを鼻で嗅ぐ「オルソネーザル」。
そして、口に入れて咀嚼して、口から鼻に抜ける匂いを嗅ぐ「レトロネーザル」。
その両方を、食べ物の匂いとして楽しんでいます。
このようなことが可能になるのは、ヒト特有の解剖学的特徴の故です。
つまり、ヒトは食道と気道がのどで交差しているという構造から、この両方の匂いを感じ、豊かな食文化にもつながっているのです。
「オルソネーザル」と「レトロネーザル」、脳の反応部位も異なることがわかっているそうです。
しかしながら、この解剖学的特徴は、同時に「誤嚥」の危険性もはらんでいるのです。
海老原孝枝氏(杏林大学医学部高齢医学教室 准教授)は、ブラックペッパー精油が嚥下機能を改善することを発見されました。
脳卒中後の高齢者105人、毎食前に1分間香り刺激を1か月継続したところ、
◆1分間の嚥下回数0.4回が、3.7回に増加
◆嚥下開始時間17.6秒から4.4秒に減少
したといいます。
食欲を刺激し、増進するブラックペッパー。
その精油の香りが、嚥下機能の改善に貢献するとはとても興味深いですね。
「アロマテラピーは、努力も我慢も要らない、でも効果的な健康法」は、私の口癖ですが、とりわけ高齢者社会で大いに活用の余地がありそうです。