「ドルチェ&ガッバーナの香水のせい」は、プルースト効果
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログにお越しいただきありがとうございます。
昨年、売れに売れた歌のひとつが、瑛人さんの「香水」。
年末年始の番組でもよく流れましたね。
サビ部分がとても耳に残って、ついつい口ずさむ歌です。
♪別に君を求めてないけど
横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナの
その香水のせいだよ♪
久しぶりに会った以前の恋人との、楽しかった記憶が彼女の変わらない香水の香りで思い出される・・・。
記憶と香りが鮮明に結びつくことは、だれしも経験のあることかと思います。
その共通の認識がベースにあって成立するのがこの歌なのでしょう。
フランスの文豪プルーストが『失われた時を求めて』という小説で、マドレーヌを紅茶に浸した時の香りで古い記憶がよみがえったと書いたことから、この作用は「プルースト効果」と呼ばれています。
フランス文学を持ちだすまでもありません。
日本でも、
「五月待つ 花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」(古今集)
と詠まれてから、橘の香は、かつて愛した昔の恋人を思い起こさせる香りとされるようになりました。
私は、年末に近所を歩いていて、あるお宅のキッチンから流れてきた黒豆を茹でる匂いに、子供の頃のお正月準備を思い出して涙ぐみました。
私の母はその時代には珍しくフルタイムで働いていました。
忙しい中でも、おせち料理は毎年丁寧に手作りして、私はそれを手伝うのが楽しみでした。
黒豆の匂いは、にぎやかで、心ときめく子供の頃の「正しいお正月」の風景と、今は亡き、母、父、祖母の姿を、私の胸に蘇らせてくれたのです。
なのに、今の私と来たら、おせち料理を作るどころか、買って用意することもなく、元旦からサロンでアロマ講座の資料作りや動画撮影をしていました。
あぁ・・。
香りの世界は、私たちの慌ただしい日常を豊かに、彩ってくれます。