介護と保育の危機的状況を知ろう、声を挙げよう〜新聞記事より
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<今日はアロマテラピーには関係のない話題です。>
今朝の朝日新聞の朝刊に気になるふたつの記事がありました。
人間は、生まれれば誰かの手によってケアされる必要があり、生命を終えるときもまたそうです。
この時期に人間の尊厳を守られ、適切なケアが受けられること、それは人にとって大変重要なことであり、安心して暮らせることにつながります。
このことが、今、我が国において、とても危うい状況にあることを指摘する記事です。
そして、私たちがこの問題に目を向けて、今、声を上げなければならないことを教えてくれる記事です。
1つは、「多事奏論」において、編集委員の清川卓史氏の書かれた
「ホームヘルパー裁判 介護現場からの訴え 引き継がねば」
というもの。
訪問介護は、介護保険の柱となるサービスの一つだ。
(略)
ヘルパーの有効求人倍率は14倍を超え、「絶滅危惧種」と言われるほどの人材難に苦しむ。
高齢化も深刻で60代70代が介護現場を支えている。
こうしたなか、現役ヘルパーとして働く女性3人が国を相手に起こした裁判がある。
「ヘルパーの厳しい労働環境と人手不足は国の責任だ」と訴え、損害賠償を国に求めたのだ。
(略)
裁判の焦点は、「登録ヘルパー」と呼ばれる働き方だった。
キャンセルの場合や移動、待機時間の賃金が未払いだったり不十分だったりで、拘束時間が長いのに賃金が低くなってしまう。
「この問題は労使の交渉では解決できない」と別の原告、伊藤みどりさん(72)は強調していた。
国が決める介護報酬が低すぎて、低賃金の登録ヘルパーなしでは訪問介護が続けられない状況に事業者が追い込まれている。
本質的な責任は国にある、と追及したのだ。
<上記記事より引用>
この訴訟は、敗訴となったものの、高裁判決では、
「賃金水準の低さとこれを一因とする慢性的な人手不足が長年にわたり問題とされながら長年にわたり問題とされながら、いまだ問題の解消にいたっていない」と現状を認めたと言います。
その一方で、裁判が続く中で、「ヘルパー危機」に追い打ちをかける国の政策決定があった。
24年度の介護報酬見直しで、訪問介護の基本報酬が引き下げられたのだ。
物価高騰もあいまって、事業者の倒産や休廃業も相次ぐ。
もう一人の原告だった藤原るかさん(69)は「ケアの価値を(国は)本当に軽視している」と悔しさをにじませ、伊藤さんは「介護保険は崖っぷち」と訴えた
(後略)
<上記記事より引用>
そしてもうひとつが、「保育園を考える親の会」顧問の普光院亜紀氏へのインタビュー記事
「保育現場『質より量』のしわ寄せ」
です。
氏は、「この国の保育政策は少子化対策にからめとられ、子どもの権利の視点を失ったまま進められた」と言います。
(前略)
保育園の待機児童問題が深刻化しました。
保育の基準の緩和策が次々に打たれましたが、「子どもがどう育つか」という視点は欠落していました。
コストをかけずに、保育施設などの「量」を増やすという施策が続いた結果、保育現場が疲弊し、深刻な保育士不足を招く事態となりました。
(略)
面積基準を下回らなければ定員を超えた子どもを預かっていいとし、雑居ビルなどの賃貸物件への設置も認め、園庭は近くの公園で代替してもよいとする通知などが挙げられます。
(略)
大人が過ごす大型商業施設は広々と快適につくられている。
そこから少し離れた雑居ビルのなかに、子どもたちがひしめきあって過ごす保育施設がある。
社会が子どもたちにどういう姿勢をとってきたのかを象徴しているのではないでしょうか。
(略)
保育士不足が「保育の質」に悪影響を与えています。
保育士の待遇改善と負担軽減は急務です。
(略)
21年には、待機児童がいる自治体で、やむを得ない場合には、クラス担任の全員がパート保育士でもよいとする規制緩和を行いました。
保育士が入れ代わり立ち代わり保育することは、保育士に一人ひとりの子供を理解した対応を求める国の『保育所保育指針』に反します。
<上記記事より引用>
さらに、このような「子育ての安心感」欠如が、少子化のとまらない要因の一つだと言います。
そして、従来のように、親の長時間労働に保育園が合わせるということだけでなく、無理な働き方をしなくても子育てや家庭生活が普通に営めるように変わるというように、働き方を変えるという視点が必要であると指摘されました。
私自身、介護士、保育士の両方の方にお世話になり、その仕事ぶりを知っているつもりです。
彼女ら、彼らの提供する仕事は、専門的な知識と技能に支えられた専門職に相応しいものです。
そして多くの方が高い使命感を抱いてケアする人に向き合っておられます。
私たちが安心して暮らせる社会を支えてくださっているにも関わらず、それに相応しい賃金体系になっていないばかりか条件が引き下げられていっているのです。
このことを私たちはまず知らねばならないし、おかしいと声を上げ、政治に反映させていかねばならないと思うのです。
さらに、私たちの働き方を見直すことという視点からすると、私たち自身に突き付けられた課題でもあるのです。
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