アロマテラピー愛好家は脳年齢が若い!?
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログにお越しくださってありがとうございます。
日本アロマ環境協会の機関誌『AEAJ』111号(2024春号)に「香りの力で認知症ケアを」という記事が掲載されています。
精神科医で、筑波大学人間総合科学学術院教授、水上勝義氏が、AEAJと行っている「認知機能と嗅覚の関係についての共同研究」について語っておられる特集です。
その中で、アロマテラピー愛好家には嬉しい内容が載っていましたよ!
日常の中でアロマを使用している人と使用していない人、合わせて1000人以上の協力者に調査を行い、香りに触れることによる認知機能や気分、活動性の横断調査をしました。
特に差が出たのが60歳代の人たち。
アロマを使用している人の方が脳年齢が若いという結果でした。
60歳というのは、ちょうどアルツハイマーの発症が顕著になる80代の20年前。
その世代に差が出るのは興味深いことだと思いました。
香り以外に運動や食事、栄養バランスによる差異なども調べましたが、アロマの効果が見えましたね。
それまではアロマの研究というと香りを嗅いで結果を見るというものが一般的でしたが、普段からアロマを楽しんでいる人とそうでない人との違いを調べるのは新しい試みでした。
「香りの力で認知症ケアを」『AEAJ』111号(2024春号)より抜粋
香りは、古い脳とか情動脳と言われる大脳辺縁系にいち早く到達し、自律神経や内分泌系に影響を与えます。
そして記憶に関わる海馬も大脳辺縁系に含まれます。
嗅覚は生物としての生存に関わる原始的な感覚です。
私見ですが、現代人は嗅覚刺激を受ける機会が、昔に比べ乏しくなっているのではないでしょうか。
例えば、食事にしても、出汁をとったり、材料を刻んだり、煮たり焼いたりという調理の過程の中で私たちは沢山の匂いを受け取ります。
その中で、私たちの体は唾液や消化酵素の分泌など、食べ物を受け入れる準備を整えるのではないでしょうか。
そもそも他の動植物の体を自らの血肉にするという消化吸収は、人体にとって大変な作業のはずですから、嗅覚刺激がその大変な作業の開始の合図にもなるでしょう。
しかし、出来合いのものを購入したり、外食したりということが現代人のライフスタイルの中では多くなり、匂いを嗅ぐ過程は減ってしまいました。
草の匂い、土の匂い、あるいは臭いトイレの匂いといったものを知らず、合成香料の香りの中で育つ子供も増えています。
現代人の脳は、長い人類の歴史の中で親しんだ自然の香りを求めているのかもしれません。
なかなかライフスタイルを変えることが難しいのですが、植物の香りを凝縮した香りを簡単に嗅ぐことのできるアロマテラピーを取り入れることで脳を賦活することができるのなら嬉しいことですね。