植物の形は意味を持つ~虫と共進化した不思議な蘭の花
植物の形は意味を持つ~虫と共進化した不思議な蘭の花
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログにお越しいただきありがとうございます。
今日は、先日訪れた京都府立植物園の大温室で出会った「アングレカムセスキペダレ」という珍しい蘭のお話です。
当教室で開講している
では、植物の持つ香りや薬理作用のある成分には植物なりの意味があるのだという話をします。
その場に根を張り、移動することのできない植物にとって香りや薬理作用のある成分は実に有効なコミュニケーション手段なのです。
そして、このアングレカムセスキペダレにおいては、「植物の『形』もまた、意味を持つのだ」ということを教えてくれます。
それらはすべて、植物の生き残り戦略なのです。
マダガスカル島に自生する蘭の一種「アングレカムセスキペダレ」にはとても長い距(きょ)と呼ばれる、蜜をためる部分があります。
画像では、一見、茎に見えそうですが、花の下に伸びている黄緑の長いひも状の部分です。
昔、知られていたマダガスカルのどの昆虫においても、この格段に長い距の先にたまった蜜を吸うことはできないと思われていました。
しかし、進化論で名高いダーウィンは、
「アングレカムセスキペダレの蜜を飲める長いストローを持った虫が必ず存在するはずだ。
アングレカムセスキペダレは確実に昆虫の頭に花粉を擦りつけて運んでもらうため、距がどんどん長く進化したのだ。
その蜜を独り占めできるようその虫のストロー部分「口吻」はどんどん長く進化したに違いない。」
と言いました。
このような関係を「共進化」と呼びます。
しかし、当時そのような虫は発見されておらず、論争を呼び、荒唐無稽の説だと、ダーヴィンは批判もされもしました。
そして、なんとダーウィンの死後、予言から40年後についにその虫「キサントパンスズメガ」がマダガスカル島内で発見されたのです。
自然というのは何て巧妙なバランスのうえに成り立っているのでしょう!!
アロマテラピーを学ぶことで、植物や、植物や人との関係にどんどん関心が深まっていきます。
知ることで、身近な世界の見え方が変わってくる。
それが、とても楽しいです🥰