「介護事業者倒産最多」の記事を雪の朝に読む
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<今日はアロマテラピーとは関係ない話題です>
今日は朝から雪が降りだし、あっという間に街は雪化粧です。
こんな日には、思い出すことがあります。
今は亡き母と、ヘルパーさんを待っていた朝。
京都府宇治市には珍しく、雪が降り積もっていました。
いつもなら颯爽とバイクで来てくださるヘルパーさんですが、その日は雪でバイクが走れそうにもありません。
ベッドで横たわる母の体を動かすと「腰が痛い、腰が痛い」と叫ぶので、体位変換、オムツ交換、服薬など、情けないことに私には、うまくできませんでした。
「どうしよう」と途方に暮れていたところ、ひざまで雪に埋もれながら、雪まみれのヘルパーさんがたどり着いてくださいました。
思わず涙ぐみながら手を合わせる私の背中を、ヘルパーさんは笑いながらとんとんと叩いて、てきぱきと母の介護をしてくださいました。
今日も、雪の中、命綱であるヘルパーさんを待っている人が沢山いる。
その人たちのために、体から湯気を出しながら、必死で介護に向かう人がいる。
今日の朝日新聞に、
「介護事業者の倒産最多」
との記事がありました。
「2024年172件 半数は報酬減の訪問介護」
とあります。
2024年に訪問介護の基本報酬が引き下げられたのです。
物価高の中、今後も倒産が増える可能性が高いと言います。
そうでなくても介護人材の不足は危機的です。
人は、誰もが生まれたとき、人生を終えるときに自立できている人はいません。
だれかの手が必要です。
長い間、それは家庭で女性が担ってきました。
しかし、それは誰でもできるスキルの不要なことでは全くありません。
保育士、ヘルパーさんなど介護士の方々は、高度な知識と技術を持った専門職です。
この方々に適切な報酬を払わない社会は、大きなしっぺ返しをくらいます。
安心して生まれ、安心して死ねること。
そこに関わる人にふさわしい報酬とそれに伴うやりがい、働きがいを保証できることなしに、少子化は止まることがないことを、為政者はなぜわからないのでしょうか。