後を歩く人のためにもっと生きやすい世の中を作ろう
本物と上質を求める大人のためのアロマテラピーサロン「アロマテラピー&リラクセーション Shinoa」のブログにお越しいただきありがとうございます。
今日はアロマテラピーに関係のない話題です。
7月29日朝日新聞be「悩みのるつぼ」に大学2年生から相談が寄せられていました。
その回答に、共感したので、ご紹介します。
大学生の彼女は、小さいころからシングルマザーの母親から虐待を受けて育ちました。
学校や警察、児童相談所は無力で、彼女の現状を変えることが出来ないままでした。
彼女は高3で母親に「出ていかないなら殺す」と言われ、家を出たそうです。
その後、自力で施設を探して、現在は自立援助ホームから大学に通い、塾の講師もしているとのこと。
ただ、高校時代の彼女がアルバイトで暮らし、それすら母親に搾取されていたというのに、現在、同じホームで暮らす高校生たちが、国の支援で定期代や学費などを払ってもらえていることに妬ましさを感じ、その嫉妬が「消すことのできない感情」だと言います。
この悩みの回答者は、社会学者の上野千鶴子氏。
「気持ちはよぉーくわかります」としたうえで、児童福祉の不十分さはまだまだありつつも、児相を卒業した18歳以上の若者たちへの援助が皆無だったところに自立援助ホームが設立され、そこから大学に通えるような道ができたこと。
彼女の前の世代には、大学に進学できるなんてとうらやましがられるかもしれないと言います。
さらに、このように答えます。
世の中は少しずつ、少しずつ良くなっています。
変ってきたのではありません。
変えてきた人たちがいたからです。
たとえば保育園を増やそうという運動をやってきた人たちにとっては、望んだ保育園ができた頃には自分の子供たちは大きくなっており、せっかく作った保育園の恩恵を受け入れられません。
でもいいんです。
後からくる若いお母さんたちが自分たちと同じ思いをしないで済むと思えば。
後からくる人たちにとって今ある施設や制度はデフォルトです。
どんな苦労をして誰がつくったかを知りません。
大学生なら、児童福祉の歴史を調べてごらんなさい。
あなたの経験はつらいでしょうが、貴重な当事者経験と言えるでしょう。
なぜならそういう経験をして、困っている子供たちが、何を必要としているかをいちばんよく知っているのですから。
「現状に満足」なんかしないでください。
あなたの「消すことのできない感情」はあなたを突き動かすエネルギーになるのです。
<抜粋。改行は出野>
世の中に、理不尽なことも不公平なことも、沢山沢山あります。
自分が「偶々」当事者である場合も、「偶々」そうでない場合もあります。
不平等だとか、民主的でないと怒りを感じることもありますが、平等とか民主主義なんていう概念だって、先人が苦難の歴史の中で作り上げたのです。
相談者の彼女が次に続く人たちの為に、一歩進んだ新しいデフォルトを作ることを期待します。
そして、私もまた、ちっぽけな存在でも、次に続く人たちに生きやすい世の中を作ることに貢献したいと感じました。
親ガチャとかいう言葉が流行ったり、持てる者と持てない者の二極化が進んでいると言われ、諦めの感情がどんよりと世の中に沈滞しているかのように感じるこの頃。
変えられるのも私たちのはずです。